このたびは当法人でボランティア活動していただいております社会福祉士の落合元和 様より当法人宛てにメッセージを寄せていただきました!

時代のニーズに良く合っている社会資源「居場所提供」

『日本はほぼ70年前太平洋戦争に敗けて敗戦国となった。当時、国土は荒廃し、経済は低迷し人々は苦しい生活の中で平和な国の建設に努めた。

その後、次第に国力は増し、経済は発展し、70年後の今日、世界でも有数の平和で安定した経済大国に発展してきた。戦後の70年は日本の歴史においてもまれにみる良い時代になっている。

われわれ人間は、社会を造ってその中で生活している。社会を構成している単位は家庭である。その社会の中で、大きな変化が起きてきた。社会の単位である家庭がどんどんと小さくなってきたことである。

われわれが子供の時代、どこの家庭でも家族の人数が多い大家族であった。おじいさんがいておばあさんがいて、お父さんお母さんがいて、子供の数も多かった。わいわいがやがや食事の時などはとても賑やかであった。

戦後の70年、われわれの社会に起きた変化は、その原因を考えてみると興味深いことがだんだん解かってくる。祖父母、父母、子供たちで構成されているのが普通の一般的な家族であったのが、子供が成長し、結婚すると家を出て、新しく家族を創るのが一般的になってきたのである。成人して結婚就職して新しい家庭を創る、これが人生の普通の行程となってきたために、家庭の規模がどんどんと小さくなってきたと考えられるのである。

このような家族構成の家庭に特徴的なことは、家でひとりで過ごす時間が多くなってきていることである。孤独で時間を過ごす、これは、社会的動物と言われる人間にとっては耐えられない苦痛である。最近の子供がいる家庭でも、お母さんが働きに出るため子供だけが家に残されるケースは少なくないのである。

子供だけでなく高齢者の場合も事態は深刻である。話し相手のいない高齢者は、認知症になる確率が高いのである。また、何らかの介護を必要としている状態であっても、介護を受けられない状態で過ごさなければならないことになる。

このようなひとりで過ごさなければならない状況の人に、気がねなく時間を過ごせる「居場所提供」という社会事業が出現してきた。

臼井駅の近くにできた「ほっとすぺーす、つき」はその施設である。

居場所提供はその発想の柔らかさ何とも素晴らしい。その場所に行って、何かをしなければならないという義務感は全くない。そこに行っているだけでもいいのである。小学生は宿題を持ってきている。年長の小学生が教えている。

私はそこで学習支援隊長という肩書を頂いているが、学習支援はできない。今できているのは、囲碁将棋健康麻雀などの遊びのお相手である。

遊びで役に立つなど、その発想の柔らかさはまさに天下一品である』

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千葉県社会福祉士会2代目元会長

特別養護老人ホーム元施設長

落合元和

吉川コメント3